歌手としてだけではなくアーティストへの楽曲提供もしており、
ダンサーやイラストレーターなどマルチな才能を発揮している米津玄師さん。
一見関係ないようなタイトルも歌詞全体を通して見てみると重要なフレーズになっていたりと、
聴くひとを感動させるような作品が多いですよね。
今回は米津玄師さんの「メトロノーム」の歌詞の意味を考察とMVについていお伝えしていきたいと思います。
米津玄師「メトローノーム」ってどんな曲??
「メトロノーム」はシングルカットされておらず、2015年10月7日に発売された米津玄師さんの3枚目のオリジナルアルバム『Bremen』の9曲目に収録されています。
タイトルになっている「メトロノーム」という器具は知っていますか?
音楽の授業とかで使うカチカチなるリズムを測る器具です。
デジタル式とアナログ式がありますが、米津玄師さんの楽曲の「メトロノーム」は針のついているアナログ式をイメージするといいと思います。
インタビューにて米津玄師さんは「どんなに歩調があう人とも、必ずどこかでズレる。そんな様子をメトロノームと重ねた。」とコメントを残しています。
このことが歌詞にどう表現されているのでしょうか?
米津玄師「メトロノーム」のMVのあらすじは??
このMVのイラストは米津玄師さん自身が描いています。
米津玄師さん自身がイラストしたMVは「アイネクライネ」以来となります。
「メトロノーム」のMVに描かれているのは1人の少女。
画用紙にシャーペンで1枚1枚絵を描き、パソコンで動画編集し、このMVが完成するまでに描かれた枚数は何と200枚も使用されていおり監督から全て1人で完成させたそうです。
一つの物語を完成させるまでにここまでのこだわる米津玄師さんはさすがですね!!
米津玄師さんの出身地でもある徳島で開催された徳島国際映画祭にて上映されました。
もうここまでくると芸術作品と言わざるおえないです。
MVに登場する少女の姿が無機質なものに変わったり、悪魔のようになったり、横顔にノイズがかかったり、ケータイからいろんなものが溢れ出したり、と様々な姿を一瞬一瞬登場します。
これらは、歌詞の中に登場する主人公の『僕』から見た女の子の姿なのでしょう。
米津玄師「メトロノーム」歌詞の意味は??
MVに登場する少女の姿を見た『僕』が主人公。
女の子の瞳からこぼれ落ちる涙からスタートする「メトロノーム」
男女の切ない思いが綴られた歌詞の意味を解釈していきます。
初めから僕ら
出会うと決まってたならば
どうだろうな
そしたらこんな日がくることも
同じように決まっていたのかな
「僕ら」ということから主人公とMVの少女の2人の登場人物が出てきます。
そしてこの状況はすでに2人の関係は終わりを迎えた後なのでしょう。
「もしもあなたと出会わなければ、こんなにつらい思いはしなかったかもしれない。」
出会いは幸せの始まりでもありますが、終わりの始まりでもあります。
「メトロノーム」は恋愛の歌詞だと思いますが2人の恋愛関係の終わりだけでなく、
2人が最後まで一緒にいたとしてもいつか訪れる『死』という別れからは逃れられません。
ずっと叶わない思いばかりを
募らせていては
互いに傷つけ合って
責め立て合ったただ想ってただなんて
言い訳もできずに
去り行く裾さえ
掴めないでいた
弱かった僕だ
お互いに叶わないとわかっていながらも傷つけ合っていたのでしょうか?
それは相手のことを強く思っていたからかもしれません。
あなたのことを思っていたということも伝えることができないまま、
あなたは僕の元を去っていきます。
これは別れを連想させますが、恋愛関係の終わりなのか、最期の別れなのか、、、
どちらにせよ僕の不甲斐なさによってあなたとの別れが起きたことは確かだと思います。
『弱かった僕だ』は引き止める勇気も持たない自分に後悔し弱さを感じてしまったのでしょう。
今日がどんな日でも
何をしていようとも
僕はあなたを探してしまうだろう
伝えたい思いが
募っていくまま
一つも減らない僕を
笑い飛ばしてほしいんだ
1番のサビです。
僕の中であなたの存在がなくなることはありません。
でもそこにあなたの姿はないという後悔の念を感じます。
当たり前に思っていた物事ほど、なくなった時の喪失感は大きいですよね。
僕にとってのあなたもそんな存在だったのでしょう。
君への想いが一つもなくならない僕のことをあなたに笑い飛ばしてもらえたらどんなにいいか。
そんな僕の心情が伝わってきます。
味気ない風景だ
あなたがいないのなら
どんな場所だろうと
出会う前に戻っただけなのに
どうしてだろうか何か違うんだ
ものすごく切ない歌詞ですね。
あなたに出会ったことで僕の世界は変わってしまい、
あなたがいなくなったことで僕はどこへ行っても出会う前の日常を見つけられません。
僕にとってあなたが心の中心だった。
あなたを失ったことで無意識的にあなたのことをどこへいっても追い求めてしまったいるのでしょう。
きっと僕らはふたつ並んだ
メトロノームみたいに
刻んでいた互いのテンポは
同じでいたのに
いつしか少しずつ
ズレ始めていた
時間が経つほど
離れていくのを
止められなくて
ここでタイトルの「メトロノーム」という歌詞が登場します。
メトロノームはリズムを刻むものです。
アナログのメトロノームは自然とテンポが変わってくる現象って実際にあるそうです。
2人は同じ想いを持っていたはずなのに一度づれてしまうと、
2人の想いはズレてしまったメトロノームのようにどんどんすれ違ってしまった。
2人でいる時間が増えれば増えるほど些細なことが積み重なって、
気づいた時には2人のヒビは大きくなってしまったのでしょう。
これから僕たちは
どこへ行くのかな
全て忘れて生きていけるのかな
あなたが今どんなに幸せでも
忘れないで欲しいんだ
僕の中にはいつも
2番サビです。
今までは僕の後悔のことについて語られてきましたが、
この部分ではあなたが幸せについて語られている部分でもあります。
「僕の中にはいつも」の後に続く言葉は「あなたがいる」という言葉が続くと予想しますが、
あえてこの言葉を入れなかったことにより切なさが倍増しますね!
私が思うにこの部分はあなたがいなくなってしまったことを理解はしているが、少しずつあなたがいなくなっている現実を受け入れようという僕の心情を表しているのではないかと思います。
すれ違って背中合わせに歩いていく
次第に見えなくなっていく
これからも同じテンポで
生き続けたら
地球の裏側でいつか
また出会えるかな
すれ違いどんどん離れていってしまう2人。
「いつしか少しずつ ズレ始めていた」と合った歌詞がここでは「これからも同じテンポで」という言葉に変わっています。
「テンポ」は想いという言葉に、「歩いていく」は生きていく言葉に変換できます。
それでもお互いに生き続けていけたならいつか2人は出会うことができるかもしれない。
どんな形でもいいからあなたともう一度会いたいという切ない想いが伝わります。
今日がどんな日でも
何をしていようとも
僕はあなたを愛してしまうだろう
伝えたい思いが
募っていくまま
一つも減らない僕を
笑い飛ばしてほしいんだあなたがいてほしいんだ
今まで僕のあなたへの隠していた気持ちが「愛してしまう」という言葉とともに溢れ出しています。
1番のサビの「笑い飛ばしてほしいんだ」の後悔の念とは違い、前向きな思いに感じました。
「あなたがずっと心の中にい続ける」という大切な思いを胸にしまい、
僕は「あなたがいない」未来に進んでいくのでしょう。
物語はあなたを失ってしまったというところから始まりましたが、
僕のあなたを失ったまま物語は終わってしまいました。
「メトロノーム」切ない歌詞ですね。
米津玄師「メトロノーム」歌詞の意味を考察!!MVは米津玄師監修!!まとめ
いかがだったでしょうか??
米津玄師さんの「メトロノーム」の歌詞の解釈と楽曲について考察してみました。
忘れられない人がいるという方にぜひ聞いてほしいです♪
MVを自らのイラストで監修してまで作成した米津玄師さんの想いが詰まっている楽曲でしょう。
一見恋愛の歌のように感じますが、あなたとの永遠の別れに対しての楽曲のようにも感じました。
米津玄師さんの歌詞は聴き手によって違った解釈ができます。
あなたは「メトロノーム」の歌詞をどんな風に思いましたか?
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