米津玄師さんの楽曲はどれも独自の世界観があり、聞く人はもちろんMVの世界観もかなり魅力的だと思います。
2018年の紅白歌合戦に特別枠で参加し、今や日本中で知らない人の方が少ないのではないか?というくらい老若男女問わず大人気のアーティストです。
今回はそんな米津玄師さんの楽曲の中から言わずと知れた名曲「Lemon」の歌詞の意味やMVについてお伝えしていきたいと思います。
米津玄師「Lemon」ってどんな曲??
2018年2月12日にダウンロード版が先行配信され3月14日のホワイトデーにメジャー通算8枚目のシングルとして発売されました。
米津玄師さんのことを「Lemon」で知ったという人も多いのではないでしょうか??
2018年2019年と現在でも長期にわたるロングヒットとなっている曲です。
この曲は「生と死」をテーマとしており、元々は「Memento」(形見・記憶)というタイトルがつけられていました。
ですがあまりにもこのタイトルはあざとい、ストレートすぎるということから、「Lemon」へ変更したようです。
タイトルが「Lemon」になった理由としては、過去にインタビューにて、
確かに「レモン」って文学的なニュアンスがあるとは思ってて。他にも高村光太郎の『智恵子抄』(「レモン哀歌」)とか。そういうものからレモンが無意識的に自分の頭の中にはあって、そこから出てきたっていう面はあるかもしれないです。
<胸に残り離れない苦いレモンの匂い>っていう言葉が自分の中に出てきて。だから、ある種の瑞々しいもの……単体で見れば死とかそういうものから遠いところにあるレモンを使うことによって、「人の死」っていうものを抽象的に表現出来たらいいなとは考えましたし、実際にそれが上手くいったとも思ってます。
引用:http://www.billboard-japan.com/special/detail/2270
と答えています。
「Lemon」のテーマを知った上でもう一度聞いてみるとまた違う感じに聞くことができるかもしれませんね。
ドラマ「アンナチュラル」の主題歌にタイアップ
https://twitter.com/unnatural_tbs/status/1055396992841474048?s=20
TBSドラマ「アンナチュラル」の主題歌のために書き下ろしてできたのが「Lemon」。
野木亜紀子さんが脚本を書いており、石原さとみさん主演で井浦新さんや窪田正孝さん、 市川実日子さん、松重豊さんなどの豪華キャストが出演しています。
アンナチュラルとは「生と死」をテーマに、死因研究のスペシャリストたちによる不自然な死の真相を暴いていくという法医学ミステリー作品となっています。
ドラマ「アンナチュラル」のストーリーと「Lemon」の世界観がリンクしている部分もありますね。
またSoftbank「白戸家ミステリートレイン『事件のはじまり+リョウマの事情聴取』篇」のCMソングにも起用されています。
なんか絶妙にマッチしていますねw
白戸家は物語調のCMが人気の上戸彩さんなどが出演するCMです。
同じ曲が2つ起用されるなんてすごいですよね!!
米津玄師「Lemon」のMVに込められた思いは??
MVの主人公は女性です。
「死」や「別れ」がテーマである「Lemon」の題材の通り、MVもレクイエムをモチーフとしており協会で撮影されています。
米津玄師さんがドラマ「アンナチュラル」のために「Lemon」を書き下ろしていた際、自分が尊敬していたおじさんを亡くしました。
最初「Lemon」を作詞作曲する際に「傷ついた人への優しさ」をテーマに作っていたよですが、おじさんの死を目の当たりにしたことがきっかけで「愛する人を悼む」というテーマに変更したようです。
MVの中で米津玄師さんがピンヒールを履いていますが、これは大事な人が亡くなってしまった時に2人だけの合図のようなものとして、このような格好をしたとコメントしています。
ヒールを履きたいというところから始まった個人的な想像を、監督の手により素晴らしい映像に仕上げていただきました。感謝。
米津玄師 MV「Lemon」 https://t.co/zUmBtQY9oD @YouTubeより
— 米津玄師 ハチ (@hachi_08) March 2, 2018
また女性ダンサーが踊っているシーンがあるのですが、実はこのシーンが逆再生されているのでは?という噂があります。
亡くなった方の目線として「逆さごと」ということがあり、この女性が亡くなってしまったことをMVの中で表現しているのではないでしょうか?
「Lemon」のMVに登場するダンサーはだれ??
米津玄師さんMV「Lemon」で踊っています。監督は山田智和さん。すてきな音楽と監督の現場でのひらめきに導かれて踊ることができました。ぜひみてください。
https://t.co/Klvdn8ZpK0— 吉開菜央/Nao YOSHIGAI (@naoyoshigai) February 27, 2018
吉開菜央さんはダンサーとしてだけではなく、振付師や監督もしているマルチな才能の持ち主です。
RADWIMPSの野田洋次郎さんが提供した、酸欠少女さユりさんの「フラレガイガール」の監督も勤めています。
映像作家である吉開菜央さんだからこその「Lemon」の世界観を表現した創作ダンスとなったのでしょう。
2018年の紅白歌合戦に出場した米津玄師さんのバックダンサーとしても登場しています。
米津玄師「Lemon」の歌詞の意味は??
それでは「Lemon」の歌詞にはどのような思いが込められているのでしょうか??
最初に歌詞の感想をいうとめちゃくちゃ切ない歌詞になっていると感じました。
歌詞の中に登場する人物は「わたし」と「あなた」です。
それでは「Lemon」の歌詞考察をしていきます!!
夢ならばどれほどよかったでしょう
未だにあなたのことを夢にみる
忘れた物を取りに帰るように
古びた思い出の埃を払う戻らない幸せがあることを
最後にあなたが教えてくれた
言えずに隠してた昏い過去も
あなたがいなきゃ永遠に昏いまま
引用: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/kenshi-yonezu/lemon/
この歌詞の部分で登場する「あなた」は「わたし」にとってとても大事にな人だということがわかります。
その大事な人が死んでしまったことに対し「夢だったらよかったのに」ととても傷ついている様子です。
いくら忘れようとしても2人の思い出を思い出してしまう。
過去に忘れていたであろう思い出も鮮明に蘇ってきてしまうのです。
当たり前と思っている幸せというのは、普段の日常の中ではなかなか気づきにくいです。
その当たり前と思っていた幸せというのは失って初めて気づきます。
人間は死んでしまったのならどんなに願っても生き返ることはありません。
大切な人の「死」ということをもって「幸せとはなんだったのか」ということを知るのです。
「暗い」というところを「昏い」としています。
「昏」という文字には「まだぼんやり光が残っているものの明るいとは言えないような空の状態」という意味があります。
あなたと過ごした時間が「わたし」にとってはっきりとはしていないけれども、大切な「あなた」という存在が自分にとって心の支えになっていたのでしょう。
きっともうこれ以上
傷つくことなど
ありはしないとわかっている
引用: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/kenshi-yonezu/lemon/
死よりも辛い別れはありません。
いきていればやり直すこともできるし、またどこかで会うこともできるかもしれない。
しかし死んでしまったのならそれはもう叶うことはありません。
これ以上ない悲しみの中であなたというかけがえのない存在を失った喪失感の心情が読み取れます。
あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない今でもあなたはわたしの光
引用: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/kenshi-yonezu/lemon/
レモンというのは酸っぱさもにがさもあります。
そんなレモンを心情の比喩表現した部分だと受け取りました。
悲しいことも苦しいこともあなたと過ごした日々の全て、理解してくれたあなたの全てを愛おしく思えると回想しています。
「わたし」は「あなた」のことを心から愛していたのでしょう。
「雨が降る止むまでは帰れない」という歌詞は、心のモヤモヤが晴れないということだったり、雨を自分の涙として表現しているのかもしれません。
「今でもあなたはわたしの光」という部分では、あなたがいなくなってしまったけれども心の支えは今でも「あなた」だということ。
自分の心があなたを失ってしまったことに対し、悲しくてなかなか立ち直れないという心情のように受け取りました。
暗闇であなたの背をなぞった
その輪郭を鮮明に覚えている
受け止めきれないものと出会うたび
溢れてやまないのは涙だけ何をしていたの 何を見ていたの
わたしの知らない横顔で
引用: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/kenshi-yonezu/lemon/
あなたを失ってしまって、「まだそこにいるんじゃないか??」と闇の中にあなたの存在が浮かび上がる。
今までそこにいたあなたの存在がもうなくなってしまった。
あなたが死んでしまった後に出てくる遺品の整理や思い出を思い返すたび、その事実を受け入れようとすれば心はそれを拒否してしまい自然と涙が溢れてしまいます。
いつも「あなた」と言う存在が横にいることが当たり前になっていたことに、自分が相手のことに対し何をしていたのか?なにもしてあげれていない、相手の気持ちをわかってあげてただろうかという後悔の念を感じました。
どこかであなたが今 わたしと同じ様な
涙にくれ 淋しさの中にいるなら
わたしのことなどどうか 忘れてください
そんなことを心から願うほどに
今でもあなたはわたしの光
引用: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/kenshi-yonezu/lemon/
自分の元から離れていってしまい、この世から天国に行ってしまったあなた。
「あなた」を失ってしまって「わたし」と同じ気持ちのように「わたし」のことを思い続けて悲しみ明け暮れているのであれば、「あなた」にはそんな気持ちになってほしくない。
「わたし」の存在を忘れて楽になって欲しいと心の訴えがあります。
もしあなたが「わたし」のことを忘れたとしても「わたし」は「あなた」のことをこれからも心の支えとして生き続ける。と「あなた」に対しての美しい愛情と優しさが伺えます。
自分が思うより 恋をしていたあなたに
あれから思うように 息ができない
あんなに側にいたのに まるで嘘みたい
とても忘れられない それだけが確か
引用: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/kenshi-yonezu/lemon/
ここでは「わたし」と「自分」が向き合ったことがわかります。
あなたがいなくなってしまって本当に悲しくて、今までの当たり前だったあなたと過ごした生活を失ってしまったことにものすごい喪失感に襲われ呼吸することもままならない状況。
あなたを失ってしまったことに対しては受け入れられないですが、あなたと過ごした時間は忘れられないという確かな気持ちが心に残っています。
それだけあなたの存在は「わたし」が自分で思っていたよりもはるかに大きな存在だったのです。
切り分けた果実の片方の様に
今でもあなたはわたしの光
引用: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/kenshi-yonezu/lemon/
最初のサビ部分と同じですが、後半が変わってきます。
「切り分けた果実の片方」というのはお互いに離れ離れになってしまったことを表現。
全てを忘れるということはできないのですが、「あなた」を思いながらも残酷な現実を受け入れた瞬間なのかもしれません。
米津玄師「Lemon」の歌詞の意味を考察!!MVに登場するダンサーはだれ??まとめ
いかがだったでしょうか??
米津玄師さんの大ヒット曲「Lemon」の歌詞の意味を考察してみたりMVに登場するダンサーについてお伝えしていきました。
「Lemon」の歌詞はいろんな解釈ができる歌詞です。
今回は米津玄師さんがインタビューで「あなたがいなくなって悲しいです、、といっているような歌詞」というのを参考に考察していきました。
前向きな「傷ついた人への優しさ」という意味でも解釈できると思います。
また機会があればそちらの考察もしていきたいと思います。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました♪
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