2019年はMステや紅白歌合戦、数々のCMタイアップと怒涛の勢いで活動してきたKingGnu
2020年になってもその勢いは衰えるどころかどんどん増すばかりです。
今回は映画「スマホを落としただけなのに2」の主題歌になった、
KingGnu「どろん」の歌詞の意味の考察をしていきたいと思います。
KingGnu「どろん」ってどんな曲??
「どろん」は2020年1月15日に発売されたKingGnuのメジャー2枚目のアルバム「CEREMONY」の2曲目に収録されています。
タイトルの「どろん」とは今ではあまり聞きなれない言葉ですが、
昔はよく退席する際に「お先にどろんします。」なんてことに使われていました。
「どろん」とは、
- 急に形の消えうせること
- 逃亡すること
という意味があります。
忍者のイメージもあるかもしれませんね。
常田大希さんはこの曲を書き下ろす際に、映画の登場人物の関係性が狐と狸の化かし合いのように感じ、そこから「どろん」というタイトルをつけたとインタビューで答えています。
このことからKingGnuの「どろん」の歌詞の意味と考慮すると、
まさに煙を撒き散らして雲隠れ的な意味で忍者のどろんと近いように思います。
千葉雄大・白石麻衣、主演映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の主題歌
「スマホを落としただけなのに」は2018年11月2日に公開された田中圭さんと北川景子さんが主演の映画でした。
今回はその続編となる「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の主題歌に抜擢されたのが、KingGnuの「どろん」です。
歌詞の内容を把握するには映画を見た方がわかりやすいのですが、
作詞作曲を手がけたKingGnuのリーダー・常田大希さんはこの楽曲を書き下ろす際に、
- 愛情への不安や焦燥感
- ネット社会の脆さ・怖さ
と映画の内容とシンクロさせながら書いたそうです。
前作の映画「スマホを落としただけなのに」は、
スマホに人の全てが入っているとし、スマホを中心に物語が進むSNSミステリーという新ジャンルを開拓しました。
今回はそのSNSミステリーのスリリングさを残しつつも、
二転三転して先の読めない映画となっているそうです。
「どろん」の歌詞は「千葉雄大さん演じる刑事・加賀谷と
KingGnu「どろん」の歌詞の意味を考察!!
愛情への不安や焦燥感、ネット社会の脆さ・怖さをテーマに作詞作曲された「どろん」
それでは映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の主題歌となったKingGnu「どろん」の歌詞の意味を考察していきたいと思います!!
白黒で単純に割り切れやしないよ
人はいつだって曖昧な生き物でしょ
僕らは何を大事に握りしめ生きれてるだろうか
正解も不正解もわからない、正しいか間違っているのかもわからない、
白にも黒にも染まることができない主人公は灰色の存在。
他者のことだけでなく、自分自身の気持ちもハッキリと白黒つけれる人は少ないのではないでしょうか?
そんな主人公は何を大事に握りしめているのでしょうか?
大事な物を握りしめてこれまで生きてこれただでしょうか?
これはサビに繋がりますので後述します。
人を信じたいけれども信じることを恐れている。
そんな主人公の葛藤が伝わります。
人生にガードレールは無いよな
手元が狂ったらコースアウト
真っ逆さま落ちていったら
すぐにバケモノ扱いだ
其処を退け、其処を退け
今じゃ正義か悪か
それどころじゃないんだ
ガードレールとは車が道路からはみ出ないことを目的としており、ある種の保険のようにな物です。
人生にはそんな安全なことなんてなく、
間違った道に進んでしまわないように自分自身で道を作っていかないといけません。
これはネット社会の怖さにも繋がると思います。
顔の見えない相手に対し不平不満をいい自分の欲求を満たすことも簡単ですが、
一歩間違うとSNSが炎上し誹謗中傷され、
自分自身が攻撃の対象になってしまうことだってあります。
真っ逆さまに奈落の底に落とされて自分が異端児扱いされることを恐れています。
「其処を退け 其処を退け」と繰り返される歌詞は、自分がそれどころじゃない様子。
「今じゃ正義か悪かそれどころじゃないんだ」という歌詞からは主人公の焦りが伝わってきます。
主人公はそんな場所から抜け出そうと必死にもがいているのでしょう。
いつだって期限付きなんだ
何処までも蚊帳の外なんだ
血走って噛み付いた
味方は何処にいるんだ?今日だって
傷を舐めあって
面の皮取り繕って
居場所を守ってるんだ
あなたの事を待ってるんだ
常田大希さんがインタビューにて「愛情への不安」を表していると言っていました。
どんなにお互いのことを思い合っていても、
それは永遠に続くわけないと思っている『愛』に対する不安を感じさせます。
1番のAメロにあった「僕らは何を大事に握りしめ生きれてるだろうか 」という歌詞が表していたのは、人への『愛情』なのだと思います。
蚊帳の外というのは自分だけが疎外されたような感覚になっていること。
主人公にはどこかにあるはずの愛情を追い求めているのでしょう。
変わらない日常の中で、傷の舐め合いをするようにお互いを慰め合い、
相手に嫌われないように過ごすことで自分の居場所を守っています。
これはネット社会の脆さや怖さを表現しており、
そんな中にも主人公は表面上の自分ではなく、
心の奥底にいる本当の自分を見つけ出してくれるように願っています。
散らかった部屋に押し潰されそうだ
人はいつだって臆病な生き物でしょ
締め切った窓は呼吸を
重くしてしまっているんだろうか
「散らかった部屋」とは主人公の不安な気持ちの表れであり、
孤立してしまうことへの恐怖を感じているのでしょう。
「締め切った窓」とは閉ざしてしまった心のことで、
閉鎖的になってしまっている主人公は愛を遠ざけているようにも感じます。
誰かに本当の自分を見つけて欲しいと願いながらも、
誰も信用できなくなってしまっている心情です。
大都会の他愛もない大恋愛
高く飛びたきゃ膝を曲げるんだ
しゃがまなきゃ飛べやしないな
ひとりぼっち 孤独渦巻いた
ここから抜け出さなきゃ
自分を好きになりたいんだ
大都会はどこかきらびやかな印象があります。
愛を求める主人公は『大都会』に憧れを感じていますが、
「他愛もない」という歌詞から第三者的な目線で見ているようにも見えます。
孤独を抜け出すために本当に愛を求めているなら行動するべきだ。
「しゃがまなきゃ飛べやしないな」という歌詞からはそんなメッセージを感じます。
孤独や疎外感から抜け出すために苦悩しおり、焦っている主人公の心情が伺えます。
明日を信じてみませんか
なんて綺麗事を並べたって
無情に回り続ける社会
無駄なもんは切り捨てられるんだ大義名分のお通りだ
この通り不条理まかり通り
知らずのうち葬られようが
後には引けやしないんだ
どんなに綺麗事を並べたとしても、
実際の世の中でまかり通ることは少ないです。
そんな綺麗事はなかったかのように忘れられ、
当たり前のように世の中は回り続けます。
正論を盾にし不条理を押し付け誹謗中傷された後に、
満足したネットの住民はあっという間にその事件や人物の存在ごと忘れてしまいます。
恐ろしいネット社会の風潮です。
それでももう後に弾くことができない主人公。
今となっては社会がどうなっていても愛を探すしかない。
開き直っているようにも捉えることができますが、
逆境の中で立ち上がろうとしている風にも捉えられます。
駅前を流れる
人々を眺めて
大都会
他愛もない
会話さえ
やけに煩わしくて
大都会の駅前を流れる人々、他愛もない会話でさえ、煩わしく感じています。
普段であれば周りの会話なんて気になることもないのに、
「誰かが自分のことを話している。」とネット社会に毒された主人公は疑心暗鬼に陥っています。
孤独のどん底にまで落ちてしまった主人公はどうなるのでしょうか?
ここはどこ、私は誰
継ぎ接ぎだらけの記憶の影
煌めく宴とは無関係な
日常へ吸い込まれ、おやすみ
どこからが現実でどこからが妄想なのかわからなくなってしまい、
もう自分自身の存在すらわからなくなってしまいます。
「煌めく宴とは無関係な 日常へ吸い込まれ、おやすみ 」という歌詞から、
主人公は散らかって窓を閉じた孤独の空間へと自ら向かいます。
孤独を感じる主人公は部屋で再び愛を求めるのでしょう。
KingGnu「どろん」歌詞の意味は??映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」主題歌 まとめ
いかがだったでしょうか??
映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の主題歌になったKingGnu「どろん」の歌詞の意味の考察などについてお伝えしていきました。
お互いに化かしあう、誰も想像しない驚きの結末が待ち受けている映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」
映画のストーリーともマッチする歌詞とのことから、
何も信じることができなくなった主人公の最後が気になりますね!!
おかしな時代になってしまった現代の中で、
必死に愛を探しもがき苦しんでいる不安や焦燥を描いた楽曲でした!
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